近年、食料生産業(農業や畜産業、水産業など)と環境負荷の議論が高まる中で、改めて注目されているのが「堆肥」です。堆肥は落ち葉や籾殻、し尿排泄物などを発酵させて作る肥料のことで、有機農業に限らず、広く農業現場で用いられている農業技術の一つです。
近年では、資源循環(サーキュラー)の一環として、工場やレストランなどの流通過程で出る食品残渣の堆肥化などへの取り組みや、家庭向けのコンポストの普及なども話題です。
堆肥は伝統的な農業技術ですが、1970年代頃から徐々に化成肥料に代替されてきました。しかし近年の有機農業の推進やオーガニック需要の高まりに加え、化成肥料やその原料(地下資源)の枯渇・世界的高騰を受けて、その重要性が再認識されています。微生物の力を借りる複雑系技術・資材として専門家による研究も進められており、堆肥テクノロジーとも言える高度な生産に取り組むプレーヤーも現れています。一方で、肥料としての安定性や即効性、原料の確保、堆肥製造・利用にかかる労働負荷などの課題もあり、堆肥の普及への取り組みはまだまだこれから、という状況です。
ある生産者は言います。
「脱炭素や循環経済などの言葉が飛び交い、食品残渣を堆肥にして畑に入れれば良い、と安易に語る人が増えている。堆肥はあくまで農業や植物生育のための資材で、食品廃棄や廃材などを何でも入れれば良いわけではない。目的と手段が逆だ」と。食品残渣などをコンポストで堆肥化し農家に押し付けるだけで、”資源循環に貢献した気になっている”生活者や企業が増えていることに警鐘を鳴らします。
本クラスでは、堆肥の学校を手がける有機農家をリード(講師)にお迎えし、奥が深い「堆肥」への理解を深めます。堆肥の作り方やその生物学的アプローチ、堆肥の原材料の持続性、そして堆肥を活用した持続的農業の姿を、参加者とともに議論します。
ぜひご参加ください。
19:00~19:05 キックオフ
19:05~19:50 先生のお話
19:50~20:10 クロストーク
20:10~20:30 Q&A
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